2009年8月24日月曜日

消防団

農業を職業にしようと思えば、通常は田舎で暮らすことになります。

田舎でなじむためには、地域の活動に積極的にかかわった方がよい、
とさまざまな田舎本に書かれています。


そこで我が家も、機会があればできるだけ参加するようにしています。

子供会、道路掃除、お祭り、・・・。
綱引き大会なんていうのもあります。

道路掃除や子供会での廃品回収は、夫婦子供総出で参加です。
地域の皆さん、新参者の涙ぐましい努力をわかってあげて!

さて、田舎の地域活動の中でも重要な地位を占めるのが、消防団です。

消防団員にはお百姓さんもいれば、農協職員もいるだろうし、いざと
いうときに何らかの便宜をはかってもらえるかも、
ということで消防団にも入りました。


消防団は一般市民がボランティアで参加する消防組織ですが、
給料も少し出ます。

また、ボランティアとは言え、非常勤の地方公務員扱いになります。
ほとんどの人は別に仕事を持っているので、消防団活動は立派に副業と
なります。

多くの会社では副業禁止です。
でも地域貢献ということで、大概の会社では喜んで許可されるようです。
私のところの団員は大体そうです。
会社も勝手なものです。

ただし、国家公務員だけは副業規定に引っかかるそうです。
2、3年前に天下り問題が発端となって国家公務員法が改正されましたが、
このときに、消防団員だった人は一旦団員をやめて、新たに申請書を書いて
入りなおしたそうです。
国も融通が利かないものです。

団員の給料の取り扱いは、各地域の分団によって異なります。
ある地域では、給料はそのままその団員に支給されるそうです。

私のいる地域では、全額、その消防団でプールされます。
そのお金で、冬の出動のための防寒着を買ったり、団員間の親睦のための
レクリエーション費用にしたりします。

消防団の訓練等の行事の後には、宴会をしたり、火事で出動したあと
食事するときにも使います。

宴会は、地域経済の活性化ということで、できるだけ地元の店で開きます。

我が消防団は田舎にあるので、宴会を開ける店はあまりなく、必然的に
同じ店に何度も足を運ぶことになります。

団員が、一定年数活動後、退職すると退職金がもらえます。
これは、我が消防団では個人に支給されます。
結構馬鹿にならない額です。

消防団の主な活動といえば、火事の際の消火活動を思い浮かべますが、
実際に消火活動を行うことはさほどありません。

私の例でいうと、去年火事で出動したのはほんの数回です。
現場に行っても大体の場合、先に消防局(本職の消防員)が来ており、
消火活動もほぼ終わっています。
実際に水出しするのは年に1回あるかないかです。

消火活動以外のさまざまな行事が結構あります。

その中でも暑さ寒さの激しい時期の行事はかなりキツいです。

成人の日には出初め式というものがあり、優良消防員の表彰や放水訓練等
が行われます。
式の間は防寒着の着用を禁じられます。

これが寒い!

限界以上の寒さにあうと、首筋から後頭部にかけて痛みを感じるように
なります。
消防団にはいって初めて知りました。

真夏には夏期教養訓練があります。
実は来週あります。
朝早く出かけて訓練をします。

訓練の内容は、歩くこと。
各分団ごとにわかれ、副分団長の号令のもと、列を作って歩き、
右に曲がり、左に曲がり、止まり、回れ右をしてまた歩き、・・・

どうです?
すばらしい訓練でしょう。

このような単純な命令に愚直に従うことにより、火事現場のような異常な
状況で平常心を保って消火活動に専念できるそうです。
福岡県の京都(みやこ)農業普及センターのホームページにそう書いて
ありました。
今は読めなくなっていますが、本になったそうなのでそこに書いてあるかも
しれません。
(手島洋司著 「天気と食は西から変わる」西日本新聞社刊)

この夏期教養訓練はとにかく暑い!

地域によってはこのあとソフトボール大会をやるそうですが、正気の沙汰
とは思えません。

いずれ誰かが脱水症で倒れて、救急の実地訓練をすることになるのでは?
と思います。

年末には夜警があります。12/28から3日間です。
夜の7時頃に詰め所に集まって、真夜中まで順次消防車に乗って
パトロールします。

昔の消防車はすぐに乗り降りできるよう、ドアがありませんでしたが、
私の所属する消防団は昔の消防車なので、ドアなしです。

ドアなし消防車での冬の夜更けのドライブ。

詰め所ではパトロールに備えて熱々の食べ物で体を暖めてから出かけます。
人気はキムチ鍋や火鍋。

理由は言うまでもないでしょう。
運転しない人はもちろんアルコールを入れておきます。

昔は徹夜で詰め所に居たそうですが、最近は夜の12時頃に帰ります。
それでも朝の早い私にとってはとてもつらいです。

この他、消防操法大会という競技や親睦のためのレクリエーション等、
重要な行事はいろいろありますが、長くなったのでまた気が向いたら書こうと
思います。

以上、ざっと書いてみました。
読まれて、随分しんどそうと思われたかもしれませんが、これはこれで
それなりに楽しいものです。

百姓修行で畑に出ているときもそうですが、暑さ寒さに身を晒すのも、
慣れてくれば一種の快感を伴います。

また、会社組織のように、利益で結びついた仲間というわけではないので、消防団員同士の付き合いも気楽にできます。

私のような人付き合いの苦手な人間でも何とかこなせるレベルです。

全国的に消防団員は不足していますし、何と言ってもボランティア活動
なので、団員になれば感謝されること請け合いです。

私の独断と偏見による、消防団への参加のおススメ度は
2.6(5段階価)です。

興味があれば、お入りください。

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