2010年1月7日木曜日

昨年の総括

今の時期は農閑期ですし、昨年一年の総括をしてみましょう。

PDCA(計画ー実行ー評価ー改善)サイクルを回して来年のステップアップを目指します。
今回は、私のつたない例をもとに述べてみたいと思います。

これまでの投稿と少し重複しますが、今回はほうれん草とウコンについて取り上げます。


・ほうれん草

昨年うまく栽培できず、原因がよくわかりませんでした。

そこで今年は、慣行栽培で教科書を忠実に再現することを試みました。

(私は不耕起栽培していますが、今年は普通に耕起して元肥もたくさんいれました。)

その結果は、やはり発芽不良、生育不良でした。

そこで、原因を調べるために、実験計画法を用いてみました。

実験計画法の概要については、一口メモを見てください。

実験では、畑の土がよくないという想定のもとに、この土を育苗土に使い、種々の条件で発芽状況を見ました。

詳しい実験条件は割愛しますが、この実験でいくつか分かったことは、

1)石灰の影響

ほうれん草は、石灰がたくさん必要とされています。

でも今回は、元肥に石灰を入れても、生育にはあまり影響しませんでした。

私の畑では石灰不足でうまく育たない、という訳ではなさそうでした。

2)種まき時期と月齢の関係

教科書には、満月に種まきをするとよく成長すると書いてあります。

でも今回は、むしろ新月の方が発芽率がよかったです。

これは、月齢というよりは、単に気候がよかっただけと思われます。

新月の種まきのときは暖かかったですが、満月の種まきのことは、急に冷え込んできたためです。

それで、月齢との関係を直接評価することはできませんでした。

でも、今回調べてみて、発芽に相当時間かかることに気付きました。

だいたい10日くらいかかっています。

事前に水につけて発芽処理を施したものでも1週間くらいかかっています。

従って、満月の種まきでは遅すぎることになります。

満月の1週間くらい前が適期であることが考えられました。

3)元肥による生育の差

元肥はやはり入れた方が生育は良さそうです。

でも、あまり入れすぎると発芽率が低下する傾向にありました。

ちなみに、堆肥を入れても効果は見えませんでした。

4)混植

コマツナとコムギの種を一緒にまいて混植してみました。

コマツナやコムギは発芽が早いので、先に芽吹かせれば土の保湿に役立つのではないかと期待しました。

結果は、発芽率は混植してもあまり変わりませんでした。

生育状況についてはコムギを混植すると若干よくなるようでした。

VA菌根菌が増えてリン酸の吸収がよくなったのでしょうか?

何はともあれ、悪い影響は及ぼさないようでした。

とすると、移植栽培に使えないかと考えられました。

ほうれん草は直根性で移植栽培には向かないとされていますが、これらを混植して育苗すれば、根鉢ができやすくなり移植に有利ではないか、との狙いです。

以上の点から、来年度の計画としては、

満月の1週間前に種まきする、
コムギとポットに混植する、
元肥に少量の肥料を入れる、

の3点に留意して栽培することとしました。


・ウコン

昨年はうまくつくれました。

といっても特に何をするわけでもなく、ただ単に植えていただけです。

ただし反省点が二点ありました。

一つは、冬場に寒い場所に保管していたら、腐ってしまったことです。

ウコンは寒さと乾燥に弱いようです。

もう一つは、いくつかうまく発芽しなかったものがありました。

今年は、これらを元に栽培面積を少し増やしました。

また、確実に生育させるため芽が出た後に移植栽培することにしました。

その結果は、大失敗でした。

収穫のため掘りあげてみたら、「何、これ?」というくらい小さなイモしかできていませんでした。

収穫量は前年の1/2以下に激減です。

原因を調べたら、移植のときに根を切ってはならなかったそうです。

知らなかった・・・

また、ついでに調べていくと、早めに芽だしさせて4月頃定植するとイモが肥大化して収穫量が増えるそうです。

このことから、来年の栽培方針としては、

1)ポットで育苗:
3月頃ポットに入れ、ビニールシート等で加温して芽出しを早める

2)移植:根を切らないように気をつける

の2点を行うこととしました。

また、保管方法としては今年は土の中に藁でくるんで埋めてみました。

これで、温度、湿度とも確保できると期待しています。

結果は、来年の一番寒い時期を過ぎてみなければわかりませんが。


こういった感じで今年栽培した作物についての反省を行っています。

他の作物も失敗はたくさんありますが、「失敗は成功のもと」をモットーにくじけず頑張っていきたいと思います。

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4 件のコメント:

  1. PDCA プラン ドゥ チェック アクション サラリーマン時代によく営業会議の時に仕事はPDCAの繰り返しだと言われ嫌な言葉でしたが、キビゴロウさんのこのPDCAについて書かれているのを見て、農業をやり始めてから無意識にPDCAを実行しているのに気がつきました。

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  2. 豊田さん、いつもコメントありがとうございます。

    会社にいると、それなりに色んな知識がついてきますね。

    でも、あまり長く会社にいると、失敗を責任転嫁するずるがしこさや、自分の都合を押し通す図々しさ等、人格的にどうかとおもうような技術も身につけてしまうようにも思います。

    学校を卒業して2、3年会社で修行するのは有益ですが、それ以上いるものではないと思う今日この頃です。

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  3. ほうれん草の畑に石灰を入れるのはPHの調整のためだと聞いています。
    私が参加している中山農園では、年に2回、土質調査をしてその結果を基に農園主さんが肥料の配合を決めます。
    PHだけなら測定器が売られているので買われたらどうでしょうか。

    また、ウコンの保存は畑に50cmほどの穴を掘り、底に藁を敷いてその上にウコンを置いて土を被せます。
    翌年、これを種芋に使っていますが腐ったことは一度もありません。

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  4. saayananodaさん、こんにちは。

    アドバイスどうもありがとうございます。
    ほうれん草は、以前pHをはかったときは6.5だったので大丈夫じゃないかな?と思っていました。
    (会社にpHメーターがあるので、土を持っていってこっそりはかりました)
    でも最近ははかっていないのでどうかわかりません。

    pHメーターとか、EC計とかいろいろと欲しいものはあるのですが、先立つものが・・・
    とはいえ、やっぱりはかった方がいいですよね。
    また会社で計ろうかな?

    ウコンは、ご指摘の通り穴を掘って埋めています。

    他にもいろいろ分からないことだらけで試行錯誤していますので、よろしければ、また教えてくださいね。

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