2010年1月11日月曜日

種の自家採取、その3

種の自家採取その1
種の自家採取その2からの続きです。

b. ブランドイメージをアップさせるために種を取る場合

F1野菜に対するアンチテーゼとして、自家採取した種の野菜をアピールしよう、とする場合です。

この場合は、流通している野菜のほとんどがF1、というものを選ぶのがよいと思います。

ここでは主に、他家受粉する作物を取り上げます。

例えば、ニンジンやホウレンソウ等はF1品種以外はあまり売られていないのではないでしょうか。

このような商売を見込んでいるときには、交雑しないような格別の配慮が必要と思います。

圃場も、通常の栽培とは別の場所で、肥料を少なめにして育てた方がよいようです。

空腹気味に育てた方が自分の遺伝子を次世代に残そうとしてよい種ができやすいです。

作物は、できるだけたくさん植えておいて真ん中のあたりの株から採取するようにします。

端っこの株はよそからやってきた虫やら風で交雑しやすいからです。

また、一時期に種を取るのは一品種だけにしたほうがよいです。

あるいは、異なる品種間で何100mも離して栽培したほうがよいそうです。

それでも、近縁種の雑草や隣の畑からの花粉など、いろいろと交雑する機会はあります。

虫が媒介となって受粉する作物でも、虫はできるだけ避けて、人の手で受粉させます。

その後、採取したい株の周りを不織布等で覆います。

まあ、気にしはじめたらきりがありませんが。

その後の種の採取、保管は前に述べた通りです。


c. コストダウンのために種取りする場合

高い種や大量に種を必要とする場合です。

珍しい野菜の種、穀物やマメ等、自家採取した方が安くつく場合もあろうかと思います。

種の入手方法としては、上述の種屋さんの他、入手困難な種の場合は、食用の野菜を買って、これを種にすることも考えられます。

例えば、ウコンの種芋等は食用の生ウコンを買って、種芋にできます。

また、高級なトマトやメロンの種は、食用トマト、メロンから種を採取できます。

ただし、この場合はF1品種かどうか確かめておく必要があります。

栽培等は上記と同じです。


d. 品質/生産性向上

基本的にはF1種を毎回購入する方が品質、生産性はよいと思われます。

でも、何年か種取りを続けていけば、その野菜が地域の気候、風土に適応して、その結果、品質生産性が向上する、という考え方です。

それ以外にも、最近の品種は糖度の高いものが多いです。

人によっては昔の味の方が方がよいという人もいます。

例えば、うちの妻は最近のスイカが甘すぎて少し食べると胃にもたれると言っています。

私は乙女西瓜という小玉のスイカを作っていますが、これは甘さが控えめで、昔のスイカの味がする、と好評です。

ついでに言うと、最近の野菜は栄養価が以前よりも随分少なくなっているそうですが、これもF1品種が一因となっているかもしれません。

従って、これも使用する品種としては、昔から栽培されてきた在来種を選定するのがよいと思います。

これは、上に述べたようなサイトから買えばよいと思います。

種の採取の方法は上記と同じです


以上、ごちゃごちゃ書きましたが、結局のところ交雑を気にしなければ種を残すのは種取りは簡単です。

人間と同じで、人にいちいち教わらなくても胤はできます。

でも人間は野菜よりもっと交雑しやすいかな?

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