2010年4月1日木曜日

アブラムシ、その1

害虫が本格的に出始める頃です。

「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」の言葉もあるとおり、害虫を防除するには、まず害虫の特徴について知らねばなりません。

といっても、単に害虫、というだけでは範囲が広すぎて到底私の手には負えないので、最初に昆虫一般について概観した後に、特にアブラムシに絞って述べてみます。

まず、そもそもムシとは何か?についてですが、これは地を這う生き物の総称で、明確な定義はないそうです。

ヘビやダンゴムシ、クモ、ムカデ等もムシの一種だそうです。

ということは、貞子も虫の仲間ではないかとの指摘も当然あるでしょう。

しかし、貞子が生き物かどうか、あるいは貞子という種が存在するか等々、詳細な検証が必要であり、これは本論から外れるので、今後の有識者の見解を待ちたいと思います。

話は戻って、虫の中の多数を占めるのが昆虫です。

というか、虫だけでなく、生物全体でも昆虫は多数を占めます。

昆虫は、種類だけでも80万種くらいあります。これは、現生動物の約8割になります。

また、一種類あたりの個体数もとても多いと思われます。

一括りに昆虫といっても、種類が多い分、特徴も様々です。

これらを一言で言い表すことはできませんので、一般的によく見かける虫の例について述べます。

まず形態の特徴については、小学校で習って覚えている人も多いかと思います。

体は大きく分けて、頭、胸、腹の3部分からなり、足が6本と羽根があります。

鼓膜は胸にあり、呼吸は胸と腹にある気門から行います。

また、固い殻で覆われており、脱皮して大きくなります。

この固い殻は、外骨格で脊椎動物の内骨格に対応するものです。

このような固い外骨格が、外敵や薬物から身を守ってくれます。

体の内部の特徴については、脊椎動物と比べて見ると分かりやすいと思います。

脊椎動物は、血管が縦横に張り巡らされ、その中を血液が流れています。

酸素は肺から血液によって体中に運ばれます。

これに対して昆虫は、気管が縦横に張り巡らされており、酸素はこの気管を通って体中に直接運ばれます。

血管はなく、血液は体の中を満たしています。

次に昆虫の一生について述べると、普通は卵からふ化します。

ふ化後の幼虫期は一生のうちで最も長い期間です。

そして、多くの場合、幼虫期が植物にとっての害虫となります。

昆虫は、幼虫と成虫で形態が異なっています。

幼虫から成虫に変わることを変態と言いますが、大きく形態が変わらないものを不完全変態、大きく変わるものを完全変態と言います。

完全変態する昆虫では、変態する際にサナギとなって、活動をほとんど行わなくなります。

サナギのときには外敵に襲われやすいので、繭を作ったり、土の中にもぐったりしています。

成虫になると、羽が生えたり足ができたりして自由に動き回りやすくなり、交尾をして産卵します。

以上の一般的な昆虫の特徴をふまえて、次にアブラムシについて述べます。

まずアブラムシの名前の由来は、江戸時代にアブラムシをつぶした液を髪の毛に塗ってつやを出したところから来ているそうです。

種としてはカメムシ、セミやウンカに近いです。

約20種が畑の害虫として知られています。

よく問題になるものとして、ムギクビレアブラムシ、ヒゲナガアブラムシ、マメアブラムシ、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、トウモロコシアブラムシ等が挙げられます。

アブラムシは種類によって、寄生する植物や部位が決まっています。

例えば、ソラマメにつくアブラムシはヒゲナガアブラムシとマメアブラムシの二種類で、このうちヒゲナガアブラムシは葉や茎、マメアブラムシはサヤにつきます。

アブラムシは口針から植物の師管液を吸い、この中のアミノ酸を摂取します。

これにより、植物の生長が阻害されます。

この他にも、アブラムシが媒介となって、モザイク病、わい化病、黄萎病等のウィルス病をもたらします。

アブラムシの排泄物は糖分が多く、甘露と呼ばれて多くの虫がこれを食べます。

特に、アリがこれを好むので、アリマキ(蟻の牧場)とも呼ばれることもあります。

先ほど、昆虫は固い外骨格を持つと書きましたが、アブラムシは外骨格が柔らかく、ちょっと指でつまむとすぐつぶれます。

以上、長くなってきましたので、その2に引き続きます。

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