2011年7月9日土曜日

ナメクジ再

ナメクジについては、過去に何回か書きました。

でも、依然として防除は難しく、克服できないでいます。

特に、キャベツやブロッコリーのようなアブラナ科の野菜が問題です。

アオムシとナメクジの両方を防がなければなりません。

私の場合は、アオムシを防ぐために不織布で苗を覆って入れなくしています。

でも、こうすると不織布と地面が接触しているところが、格好のナメクジの住処となります。

ナメクジも、苗が小さい時はベイト剤という農薬で誘引して退治できます。

でも、キャベツが結球してその中にもぐられてしまうと、もうどうしようもありません。

結球前までに、勝負をつけなければなりません。

実際、私の場合も結球前までに勝負を付けられて、キャベツをだめにし続けています。

という訳で、何とか一矢報いたく、再び勉強です。

まずは、ナメクジの一般論から。

ナメクジは、巻貝の仲間です。

水中に住む(すなわち、エラ呼吸する)巻貝が、肺を持って陸上に上がったのが、カタツムリ。

そしてさらに、カタツムリの背中の貝殻が退化したのがナメクジです。

すなわち、ナメクジはカタツムリの進化形ということになります。

貝殻が退化した方が進化形、ということは貝殻がない方が有利な理由があります。

それは、

・貝殻を作るエネルギーを節約して、体を成長することに回せる

・貝殻がない方が動きやすくなり、狭いところに潜り込んだりできて行動範囲が広まる

などです。

また、カタツムリの別の特徴として、単純な外観とは裏腹に、結構複雑な体の構造を持っています。

上述の通り、肺もありますし、その他内蔵や生殖器官もあります。

ちなみにナメクジは雌雄同体なので、一匹の体の中で、ペニスもヴァギナも持っています。

少々下品になりますが、交尾の際には、お互いの精子を相手に注入しあいます。

神経や脳みそも持っており、生意気にも結構賢いらしいです。

次に行動、嗜好について。

ナメクジは、主に夜に行動します。

昼間は土の中や石の下に隠れているので、見つけて捕殺するのはなかなか難しそうです。

高温多湿の時に、活発に活動します。

ナメクジの好物は、ビール、バナナ、ニンジン等。

またまた生意気なことに、甘いものを好みます。

逆に苦手なのが、苦いもの。

ビールは苦いとは思わないのでしょうか?

まさか、人間の子供より味覚が発達しているのでしょうか?

ナメクジの種類は沢山ありますが、日本でよく見かけるのは主に3種類です。

昔ながらの在来のナメクジ、産地に住む大型のヤマナメクジ、ヨーロッパからの帰化種のチャコウラナメクジです。

最近は在来のナメクジはあまり見かけなくなり、チャコウラナメクジに取って変わられつつあります。

チャコウラナメクジは、背中に二本の筋が入っています。

また、背中に貝殻の退化したあと(コウラ)があることで、日本の在来種との見分けがつきます。

このチャコウラナメクジは、世界中の色んなところで生息範囲を広げています。

日本でも、北海道から奄美大島まで分布しているようです。

このように分布を広げる原因としては、このナメクジの適応能力の高さが挙げられます。

在来のナメクジは、成長して大人になった状態で越冬し、翌年の4〜6月頃に産卵します。

そして、その後40日程度でふ化します。

ところが、チャコウラナメクジは、卵が暑さに弱いため、日本の温暖な地域ではふ化、成長するのが困難です。

そこで、こういった地域では、晩秋から秋に繁殖します。

一方、北海道とか寒い地域では、もっと早い時期に産卵し、地域によって繁殖時期を変えられます。

敵ながら、この適応能力の高さには舌を巻きます。

実に忌々しいことです。

参考にした本

盛口満  ゲッチョ先生のナメクジ探検記  木魂社


・・・「探検記」の名の通り、珍しいナメクジを探してあるく様子が生き生きと描かれており、楽しく読めます。

その途中に、ナメクジの色んな特徴や生態についても詳しく述べられており、参考になります。

米山信吾 編著  病気・害虫の出方と農薬選び 農文協


・・・各種の害虫の生態を、簡潔にまとめてあります。

ナメクジについての記載も、わずかですがよくまとめられています。

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