2012年1月5日木曜日

ボカシ肥の材料について(1)

ここのところ、ボカシ肥づくりに精を出しています。

ボカシ肥については、過去にも少しこの場で取り上げましたが、今回改めてまとめてみたいと思います。

今回は、主に、用いる材料に焦点を絞って話をすすめて行きたいと思います。

まずはおさらいとしてボカシ肥とは?というところから。

ひと言で言えば、有機物を発酵させて作った肥料です。

同じようなものに堆肥がありますが、堆肥は肥料成分が少なく、肥料としての効果はさほど期待されません。

主に土の物理性(団粒構造の形成)や、生物性(有害微生物の繁殖を防ぐ)を改善することを目的として施します。

これに対して、ボカシ肥は堆肥の効果に肥料の効果が組み合わさったものといえます。

ここで、肥料の効果があるかどうかは、簡易的にC/N比という指標が用いられます。

これは、その資材に含まれる成分の窒素量と炭素量の比をとったもので、15〜20くらいが目安になります。

これ以下であれば、肥料としての効果が期待でき、これ以上であれば、大きくは期待できません。

ちなみに、牛糞堆肥ではC/N比は15〜20くらい、パーク堆肥では15〜35くらいですが、これに対して、ボカシ肥は5〜10くらいが多いようです。

また、堆肥は土に大量に施されることが多いのに対し、ボカシ肥は植える植物の近くに局所的に施されることが多いです。

これは、ボカシ肥がそれなりに材料のコストがかかるためと思われます。

ではどんな材料が用いられているか、ですが、菜種油かすや米ヌカ、魚粉、籾殻、鶏糞等々色々です。

できるだけ、手近で入手容易なものを用いて、安く上げましょう。

あと、有機物以外にも色んなものが入れられます。

肥料成分が少し少ないと思えば、化成肥料を混ぜることも出来ますし、カリウム分を多めにしたいと思えば、草木灰を入れることもよく行われます。

この他、炭とか石灰、土やパーミキュライト等々がよく材料として用いられています。

で、これらを混ぜて水分を調整すると、微生物が有機物を分解して発熱する訳ですが、材料の各成分ごとに活発に活動する微生物は変わってきます。

例えば、細菌(酵母菌や納豆菌など)は、比較的タンパク質を好み、糸状菌(カビ)は炭水化物や脂肪を好む傾向があります。

ここで、ボカシ肥を仕込んだ時に、材料の中の米ぬかが最初に微生物に食べられると考えられます。

米ぬかには、タンパク質、脂肪、繊維質、デンプン等栄養価の高い成分が多く、また粉状で微生物にとって食べやすい形態となっているためです。

で、米ぬかによりいろんな種類の微生物が繁殖するわけですが、脂肪分が多いことや、デンプン価が高いためか、発酵初期には糸状菌が特に優性に働きます。

しかし、糸状菌の中には植物の病原菌が多数含まれているため、状況によっては病原菌を繁殖させてしまう可能性もあります。

このようなことにならないため、通常は冬にボカシ肥を仕込むことが多いです。

冬には、多くの糸状菌は不活発になりますが、日本酒や味噌の発酵の元となる麹かびは寒さの中でも活発に活動できます。

そして分解の過程で、他の微生物が利用できる形態に材料を分解してくれます。

一般に発酵初期では糸状菌が優性に働き、好気では細菌類が活発化することが多いようです。

以下、ちょっと長くなってきたので、ボカシ肥の材料について(2)に続きます。

参考にした本

農文協編  ボカシ肥の作り方使い方  農文協


・・・表題通り、ボカシ肥の作り方について詳しく解説してあり、非常に参考になります。

ただし、家庭菜園等で少量作るのではなく、農家が大量に作ることを前提とした内容になっています。

小竹幸子  無農薬でバラ庭を  築地書館


・・・バラの栽培に関する本ではありますが、知る人ぞ知る、天然素材を利用した自然栽培で有名な本です。

ボカシ肥関連では、特に土着菌を利用する方法について述べられており、とても参考になります。

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