2012年4月13日金曜日

鳩害について、その3

鳩害について、 その2 からの続きです。

(その1は、 こちら

ハトの性質の続きですが、寿命は約15年です。

 年4回程度、一回2個のペースで産卵します。

 従って、繁殖能力はかなり高いです。

 日の出とともに活動し、日の入り前に巣に帰ります。

 日中は巣から10km以上も離れたところまで出勤して活動することもよくあるようです。

 農作物被害としては、5、7月が多いです。

 5月は主に大豆や豆類が、7月は麦類が食害されます。

 これらの被害に対する防除が困難を極めます。

 毒餌が簡便ですし、効果的ですが、前述のように法規制があります。

 殺さず、傷つけずに追い出さなければなりません。
 
 巣の撤去も、ヒナがいると出来ません(いなければ可能)。

 さらに、他の鳥にも言えることですが、虫などと比べて格段に賢いのがやっかいです。

 例えば、人間をかなり正確に認識していますので、かかしなどで追っ払おうとする際には、できるだけリアルに作らなければなりません。

 頭だけでなく体全体を、また、手足もきちんとつけるた方がより警戒し、近寄りにくくなります。

 とは言っても、やはり賢いので、単にかかしをつっ立てているだけではすぐに慣れます。

 こういった条件のもとで最も有効なのは網やハウスで圃場全体を囲んでしまうことです。

 ただし、ある程度以上の面積であれば面倒でお金もかかるのが難点です。

 これ以外でよく使われる方法は、追っ払いです。

 目玉凧、キラキラテープ、爆音、匂い、カラスの模型等々。

 匂いに関しては、木酢液やバラを嫌うらしく、これらの匂いを撒くと近寄らなくなった、との報告もあります。

 こういった、いずれの方法も、一つだけではすぐに慣れて効果がなくなりますが、複合的にやれば効果は長続きするようです。

 他には、嫌がらせとして、エサの食味を低下させる方法もあります。

 エサとなるものに、にがりや塩、タンニンなどをまぶす、という方法です。

 しかし、これは生きている植物には使えませんね。

 あとは耕種的防除です。

 マルチをかける、種を深まきにする、栽培時期をずらす、本命の植物の近くに代替エサとなるものを植える、等々です。

 代替エサとはちょっと反対ですが、地域全体のエサを少なくすることも重要です。

 と、つらつら書き連ねましたが、ポイントはいくつかの方法を複合的に用いること、方法や場所をこまめに変えて慣れさせないことです。

さらに、見かけたら追っ払うなどして、人間がハトを歓迎していないことを示すことも重要です。

放っておいたらどんどん図々しくなるのは、ハトも人間も同じです。

参考にした本

藤岡正博 中村和雄  鳥害の防ぎ方  家の光協会


 防除対策だけでなく、鳥の生態や被害の調査法など様々な情報が紹介されていて、参考になります。

 ただし、あとがきにも述べてありますが、防除法については決定打となる方法が書かれておらず、鳥害防除の難しさを痛感させられます。

セオドア・ゼノフォン・バーバー著 笠原敏雄訳 日本教文章社
もの思う鳥たち


・・・色々な事例が載っていて、楽しく読めます。

 これを読むと、鳥の知能が如何に高く、手強いかを再認識させられます。

国松俊英 文、関口シュン 絵  ハトの大研究  PHP研究所


・・・子供向けの本で読みやすいです。

 単に、ハトについて知りたい、という目的であれば役に立ちますが、私のように駆除したい、という邪念を持つ人には物足りないかもしれません。

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※ 余談

以下のアンケートを行った結果をご報告します。



許さない、という人は4票で全体の半数です。

残念ながら、投票数、比率とも少なかったです。

世論を盛り上げ、鳩を鳥獣保護法の適用外にすべく日本国政府に働きかけようという私のもくろみは、脆くも崩れ去りました。

む、無念です。

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