2013年8月6日火曜日

緑化によるクールダウン

 毎年、いつもながらの愚痴ですが、今年も暑いですね。

 私のパソコンはボロ家の二階においているのですが、去年は暑すぎて故障してしまいました。

 パソコンに暑さが天敵なら、人間も同じ。

 やる気が、まるで出ません。

 こうした中で、少しでも涼しい話題はないかということで、緑化によるクールダウンについて調べてみました。



 緑化によるクールダウンということで、よくあるのは、緑のカーテン。

 アサガオやゴーヤなどのつる性の植物を、建物の壁際で育てているのをよく見かけますね。

 屋内から窓を見ると太陽のギラギラした輝きをいくつもの葉が重なりあって遮ってくれていて、気持ちの面でも涼しく感じます。

 ではどうして涼しいか、これを圃場でも利用できないか?

 というのが今回のテーマです。



 まず、そもそも日光が当たるとなぜ暑くなるのでしょう?

 光が物質にあたると一部は反射し、一部は透き通り、一部は光を吸収します。

 この吸収分が熱になります。

 日中の太陽光も、地面にあたった一部が吸収されて地面が温まります。

 この暖まった熱が空気に伝わって、地上部も暖まります。



 これを踏まえて、緑化するとどんな働きがあるか考えてみると、主に以下の5つの効果が温度に関わってくると考えられます。

1)遮光

 光を遮ることにより、その先に光が当たって暖まるのを防ぎます。

 緑のカーテンの場合は、屋内に光が入りにくくなり温度上昇が抑えられますが、畑で背の低い植物を育てている場合などは、その上で作業する人間にとってはあまり関係なさそうです。

(虫たちにとっては涼しいと感じているかもしれませんが)


2)色

 黒い色は、光を吸収しやすいため、温度が高くなります。

 白い色は、光を反射しやすいため、温度が高くなりにくいです。

 その他の色は、白には及びませんが、黒色よりは温度が高くなりにくいです。

 従って、植物の緑が、黒よりは温度を下げる働きがあります。

 ただし、緑色は他の色に比べて温度上昇を抑える効果はさほど強くはありません。

 実際に、直射日光の元の葉っぱの温度は、気温よりも高くなっているそうです。


3)光合成

 日射のエネルギーを光合成により有機物に変換するので、余分な発熱を抑える効果があります。

 と思っていましたが、実際問題として、そんなに効果は高くないようです。

 光合成の日射の利用効率は1%くらいとのことです。


4)蒸散

 葉っぱの気孔が開いて水分を蒸発させることにより熱を奪います。

 日射の半分くらいをこれで放熱しているそうで、相当な温度低下がこれにより行われています。


5)呼吸

 以上は植物が周囲の温度を下げる効果でしたが、植物も生きている以上呼吸していますので、その結果熱を出しています。

 その分は割り引いて考えなければなりません。



 以上をまとめると、結局のところ、水分の蒸発による効果が最も高そうです。

 沢山蒸発させるためには、沢山の葉を持つ植物で地面全面を覆うのがよいようですね。

 ただし、緑色自体はあまり温度を下げる効果がありません。

 もっとも光を吸収しない色と言えば白、次いで黄色です。

 真夏に咲く白か黄色の花と言えば・・・ヒマワリが良さそうですね。

 ヒマワリは花が大きいし、しかも背が高いから、その下に潜り込んで作業すれば遮光効果も期待できるかも。

 さらに、キク科植物なのでコンパニオンプランツとして期待できるかもしれません。

 ただし、背が高すぎて本命作物が日射を好む場合は植える位置関係を考慮する必要がありますが。

 そういう訳で、夏の暑さ対策として、ヒマワリ栽培を推奨致します。

 今さらおそいですし、効果のほどは責任持てませんが。



参考にした本

福岡義隆  ホントに緑は猛暑を和らげるか  成山堂書店

神阪盛一郎 谷本英一  新しい植物科学  培風館

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